– 国民皆歯科健診 – 歯科衛生士の役割と重要性・将来性について

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-国民皆歯科健診 -歯科衛生士の役割と重要性・将来性について

国民皆歯科健診時代へ―歯科衛生士の役割・重要性・未来展望

日本では、口腔の健康が全身の健康に大きく影響を与えることが明らかになってきています。そのため、政府は「国民皆歯科健診」の導入を推進し、国民全体の口腔健康を維持・向上させようとしています。

この推進事業が実現すると、歯科衛生士の役割がさらに重要になります。今回は、国民皆歯科健診の概要と、それに伴う歯科衛生士の役割、重要性、そして将来性について詳しく解説します。

1. 国民皆歯科健診とは?

国民皆歯科健診の概要

「国民皆歯科健診」とは、歯科健診の受診率が低い成人期以降の職域を含めた歯科健診の充実を図る推進事業です。
健康で質の高い生活を営む上で、口腔の健康の保持・増進が重要な役割を果たしていることから、定期的な歯科健診の機会・歯科診療の受診を通じて、生涯を通じた歯・口腔の健康を実現していくことが必要とされており、政府が2022年に発表し、導入に向けた検討が進められています。

現在、日本では歯科健診を受ける機会が限られているのが実情です。

  • 子ども → 学校歯科健診が実施されている
  • 会社員 → 企業による歯科健診が行われる場合もある
  • 高齢者 → 自治体の健診制度を利用できる

しかし、自営業者やフリーランス、専業主婦(夫)などは定期的な歯科健診を受ける機会が少ないため、むし歯や歯周病が悪化してから受診する人が多くなっています。そこで、すべての国民が定期的に歯科検診を受ける機会を確保することを目指し、「国民皆歯科検診」の導入が進められています。

2. 歯科衛生士の役割

国民皆歯科健診の導入に伴い、歯科衛生士の活躍の場が大きく広がると考えられます。歯科衛生士は予防歯科の専門職として、以下のような役割を担います。

歯科衛生士の主な役割

歯科衛生士は、予防歯科の専門職として以下の役割を担います。

1.歯科健診のサポート

  • 歯科医師とともに健診を実施し、歯垢や歯石の付着状況、歯ぐきの状態をチェックする。
  • 口腔内写真の撮影や、患者さんの情報を記録する。

2.口腔衛生指導(ブラッシング指導)

  • むし歯・歯周病予防のための正しい歯磨き方法を指導。
  • フロスや歯間ブラシの使い方を説明し、セルフケアを促す。

3.スケーリング(歯石除去)

  • 歯科医院での定期的な「歯のクリーニング(スケーリング)」を担当し歯石やプラークを除去することで歯周病を予防する。

4.高齢者や障がい者の口腔ケア

  • 高齢者施設や訪問診療で、寝たきりの方や障がい者の口腔ケアを実施。
  • 誤嚥性肺炎を防ぐためのケアも重要。

5.子どもへの予防処置

  • フッ素塗布やシーラント(奥歯の溝を埋める処置)によって子どものむし歯を予防する。

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3. 歯科衛生士の重要性

国民皆歯科健診が導入されると、歯科衛生士の需要はますます高まるでしょう。その理由を3つ解説します。

① 口腔の健康が全身の健康につながる

近年、口腔の健康が全身の健康と密接に関係していることが分かっています。

例えば…

  • 歯周病 → 糖尿病・心疾患・脳卒中のリスクを高める
  • 口腔内の細菌 → 誤嚥性肺炎の原因になる
  • 噛み合わせの悪化 → 認知症のリスクを高める

このため、定期的な歯科健診を通じて口腔内の健康を維持することが、全身の健康管理につながるのです。

② 予防歯科の重要性が高まっている

これまで日本の歯科医療は「治療中心」でした。しかし現在は、むし歯や歯周病にならないための「予防歯科」の考え方が浸透しつつあります。
欧米では、定期的な歯科健診と予防処置を受けるのが一般的で、80歳でも20本以上の歯を保つ人が多いです。日本もこの流れを取り入れ、歯科衛生士による予防歯科の役割がさらに重要になるでしょう。

③ 歯科医師の負担軽減

国民皆歯科健診が始まると、歯科医院の患者数が増加し、歯科医師の負担も大きくなります。そこで、歯科衛生士が「予防」や「口腔ケア」を担当することで、歯科医師の負担を減らし、効率的な診療が可能になります。

4. 歯科衛生士の将来性

歯科衛生士の需要はますます高まる!

国民皆歯科健診が導入されると、歯科医院だけでなく、企業・学校・介護施設などでも歯科衛生士の活躍が求められるようになります。

活躍の場が広がる!

  • 歯科医院だけでなく、介護施設、訪問歯科、企業の健康管理部門など幅広い分野でも活躍可能が期待されます。
  • フリーランスの歯科衛生士として、セミナーや講演活動を行う人も増加するでしょう。

資格を活かして長く働ける!

歯科衛生士は国家資格のため、一度資格を取得すれば結婚・出産後も復職しやすいのが魅力です。

5. まとめ

歯の模型を持って説明する女性の歯科医師
  • 国民皆歯科健診が導入されると、すべての国民が定期的に歯科健診を受ける機会が増え、口腔内の健康維持につながる。
  • 歯科衛生士は「予防歯科の専門職」として、健診・指導・口腔ケアの分野で重要な役割を担う。
  • 予防歯科の普及とともに、歯科衛生士の需要が拡大し、将来性も高い。

これからの時代、歯科衛生士の活躍はさらに広がり、社会的な役割も重要になっていくでしょう。国民皆歯科健診の導入を機に、予防歯科のスペシャリストとしての地位が確立されていくことが期待されます。

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