歯科衛生士会に所属している歯科衛生士の割合とその現状(2024年版)
- 歯科衛生士

歯科衛生士として働くうえで、「日本歯科衛生士会(JDHA)」 に所属するかどうかは、キャリアや学び続ける意欲、社会的役割への意識などに大きく関わってきます。歯科衛生士会では、認定資格の取得、最新の医療情報の共有、ネットワークづくりなど、幅広いメリットを提供しています。しかし、実際に歯科衛生士会に所属している歯科衛生士の割合 はどのくらいなのでしょうか?今回は最新のデータを基に、歯科衛生士会の加入状況やその意義、課題について詳しく解説します。
1.歯科衛生士会の加入率の現状
2024年時点での歯科衛生士会加入率
厚生労働省の統計や日本歯科衛生士会(JDHA)のデータによると、2024年時点での 歯科衛生士会に所属している歯科衛生士の割合 は、以下の通りです。
・全国の歯科衛生士総数:約14万3,000人(2023年時点の就業歯科衛生士数)
・日本歯科衛生士会に所属している歯科衛生士数:約3万5,000人
→ 加入率:約24.5%つまり、約4人に1人の歯科衛生士が歯科衛生士会に所属している 状況です。
過去5年間の加入率推移
ここ数年、歯科衛生士会の加入率には変動があります。特に、2020年以降は コロナ禍による医療意識の高まり や 訪問歯科の需要増加 に伴い、加入率が微増傾向にあります。
・2019年加入率:21.8%
・2020年加入率:22.5%
・2021年加入率:23.1%
・2022年加入率:23.8%
・2023年加入率:24.2%
・2024年加入率:24.5%(予測)
→ 加入者数は増加傾向にあるが、依然として全体の75%以上は未加入 という状況です。
2.歯科衛生士会に加入するメリット
歯科衛生士会への加入率はまだ低いものの、加入することで得られるメリットは多岐にわたります。
1.専門性向上とキャリアアップ
歯科衛生士会では、認定歯科衛生士資格の取得 や 最新の医療知識の提供 を行っています。特に、認定資格を取得することで、以下のようなキャリアアップが期待できます。
・歯周病認定歯科衛生士
・ホワイトニングコーディネーター
・訪問診療認定歯科衛生士
→ キャリアの選択肢が広がり、専門性の証明にもつながる
2.最新情報・エビデンスの取得
歯科衛生士会に所属することで、最新の学術情報やガイドライン を入手できます。また、定期的に開催される研修・セミナーへの参加機会も増え、常に新しい知識を学ぶことができます。
3.医療チームとの連携強化
歯科医師、看護師、介護職などとの連携が求められる場面が増えています。歯科衛生士会に所属することで、医療チームの一員としての役割をより深く理解し、円滑な連携を図ることができます。
4.ネットワークづくりと交流
歯科衛生士会の活動を通じて、全国の歯科衛生士との交流 が可能になります。同じ分野で働く仲間との情報交換や悩みの共有ができることで、日々の業務の質の向上にもつながります。

3.歯科衛生士会に加入しない理由と課題
一方で、歯科衛生士会の加入率が約24.5%と低い背景には、以下の課題が考えられます。
1.費用負担の問題
歯科衛生士会への加入には 年会費 がかかります。多くの歯科衛生士は、年会費(都道府県ごとに異なるが約1万5,000円〜2万円程度) が負担と感じているケースがあります。
2.時間的制約
勤務先によっては、研修やセミナーへの参加が難しい こともあります。特にフルタイム勤務の歯科衛生士は、時間の確保が難しく、スケジュール調整が課題になっています。
3.メリットが伝わっていない
歯科衛生士会に加入することで得られるメリットが、十分に周知されていない ことも加入率が伸び悩んでいる一因です。特に 若手歯科衛生士 への周知不足が課題となっています。
4.加入率向上に向けた取り組み
歯科衛生士会は、加入率向上に向けて以下の取り組みを行っています。
1.認定資格制度の強化
より多くの歯科衛生士がキャリアアップできるよう、新しい認定資格の導入 や 既存資格のアップデート を行っています。
2.オンライン研修の充実
コロナ禍以降、オンライン研修やWebセミナー を拡充することで、忙しい歯科衛生士でも手軽に受講できる環境を整えています。
3.若手歯科衛生士への情報発信
SNSや動画コンテンツを活用して、若手歯科衛生士にも 歯科衛生士会の魅力を発信 する取り組みを強化しています。
5.今後の見通しと歯科衛生士会の重要性
1.加入率の上昇傾向
これまでの取り組みの効果もあり、2024年以降も 歯科衛生士会の加入率は徐々に上昇する と予測されています。特に、訪問歯科や高齢者ケアへの関心が高まる中で、専門性を証明する認定資格の重要性が増しています。
2.専門性の向上と医療連携の強化
今後は、歯科衛生士の専門性をさらに高めることで、医療チーム内での役割強化 が求められます。特に 訪問歯科や摂食嚥下リハビリテーション など、医科・歯科連携が重要な分野での活躍が期待されています。

6.まとめ:歯科衛生士会への加入でさらなるキャリアアップを目指そう!
現在、歯科衛生士会に所属している歯科衛生士の割合は 約24.5% と、まだ過半数には達していません。しかし、加入することで 認定資格の取得、最新情報の入手、医療チームとの連携強化 など、多くのメリットがあります。
特に、今後の歯科医療の現場では 訪問歯科、摂食・嚥下リハビリ、インプラントケア など、専門性を持った歯科衛生士が求められる場面が増えていくでしょう。歯科衛生士会に加入し、自身のスキルアップと社会貢献の両立を目指してみてはいかがでしょうか。