扶養内勤務は本当に自分に合っている?
- 歯科衛生士
「年収の壁」と歯科衛生士の働き方をわかりやすく解説
「子育てが落ち着いてきたから少し働きたい」「扶養内で歯科衛生士として復帰したい」「もっと働きたいけれど、扶養を外れるのは損なの?」
このような悩みを持つ歯科衛生士さんは少なくありません。
近年、「年収の壁」がニュースでも大きく取り上げられ、制度改正が進んでいます。以前よりも「扶養内勤務」の考え方は変化しつつあり、「扶養内だから安心」という時代ではなくなってきました。2025年の年金制度改正では、いわゆる「106万円の壁」の見直しが決まり、短時間労働者への社会保険適用がさらに拡大される方向となっています。
一方で、歯科医院では人材不足が続いており、「できればフルタイムで勤務してほしい」と希望する医院も少なくありません。
今回は、扶養内勤務の基本から、歯科衛生士として働く際のポイントまで、わかりやすく解説します。
そもそも扶養内勤務とは?
扶養内勤務とは、配偶者や家族の扶養に入りながら働くことです。
扶養には大きく分けて
- 税金上の扶養
- 社会保険上の扶養
の2種類があります。
ニュースなどで話題になる「年収の壁」は、この2つが混在しているため、とても分かりにくく感じる方が多いのです。
実際には、
「税金は変わらなくても社会保険には加入する」というケースもあります。
そのため、「〇〇万円までは絶対大丈夫」という単純な話ではありません。
よく聞く「年収の壁」とは?
①106万円の壁
これまで一定規模以上の会社では、
- 週20時間以上勤務
- 月額賃金8.8万円以上
などの条件を満たすと、勤務先の社会保険へ加入する必要がありました。
しかし、この賃金要件(いわゆる106万円の壁)は見直しが決まり、今後は「週20時間以上働くかどうか」がより重要な基準になります。企業規模要件も段階的に撤廃される予定です。
つまり、
「年収106万円を超えたら損」という考え方は今後変わっていくことになります。
②130万円の壁
もう一つ重要なのが130万円です。
配偶者の社会保険の扶養に入っている方は、原則として年収130万円以上になると扶養から外れ、自分で社会保険へ加入する必要があります。なお、106万円の要件が変わっても、130万円の基準は引き続き重要です。
扶養から外れると、
- 健康保険
- 厚生年金
の保険料を支払うため、一時的に手取りが減るケースがあります。
そのため、多くの方が「130万円を超えないように働こう」と考えてきました。
扶養内勤務のメリット

扶養内勤務には、多くのメリットがあります。
家庭との両立がしやすい
子育てや介護をしながら働く方にとって、
- 午前のみ
- 週2〜3日勤務
- 平日のみ
など柔軟な働き方ができます。
歯科医院でも、このような勤務形態を募集している医院は増えています。
社会保険料の負担を抑えられる
扶養内であれば、自分で社会保険料を支払う必要がないケースもあります。
そのため、短時間だけ働きたい方には魅力的な働き方といえます。
扶養内勤務のデメリット
一方で、デメリットもあります。
働きたいのに働けない
「あと数万円で扶養を超えてしまう」そんな理由で12月頃になると勤務時間を減らす方もいます。
医院としては、「もっと勤務してほしい」と思っていてもお願いできない状況になることがあります。
キャリアアップしにくい
歯科衛生士は経験を積むほど、
- メインテナンス患者を担当する
- カウンセリングを任される
- 後輩指導を担当する
など活躍の場が広がります。
しかし勤務日数が少ないと、どうしても担当できる仕事が限られてしまうことがあります。
歯科医院がフルタイム勤務を希望する理由
「どうして歯科医院はフルタイムを希望するの?」
と思う方もいるでしょう。理由はとてもシンプルです。
歯科衛生士は医院にとって欠かせない存在だからです。
患者さんの担当制を採用している医院では、「毎週火曜日だけ勤務」では患者さんの予約が取りづらくなります。
また、
- メインテナンス
- SRP
- ホワイトニング
- インプラントメンテナンス
など継続して担当する治療も多くあります。
患者さんとの信頼関係を築くためにも、勤務日数が多い方が医院としては安心なのです。
それでも扶養内勤務を希望していい
だからといって、
「扶養内勤務では採用されない」というわけではありません。
現在は歯科衛生士不足が続いており、「週2日でも来てほしい」という医院も数多くあります。
特に、
- 午後勤務できる
- 土曜日勤務できる
- 夕方まで勤務できる
という条件なら歓迎されるケースも少なくありません。
重要なのは、「扶養内だから無理」ではなく、医院と働き方をしっかり相談することです。
扶養を外れて働くという選択肢
最近では、「思い切って扶養を外れて働く」という歯科衛生士さんも増えています。
社会保険へ加入すると、
- 将来受け取る年金が増える
- 傷病手当金の対象になる
- 出産手当金を受けられる場合がある
- 福利厚生が充実する
などのメリットがあります。
もちろん保険料負担はありますが、長い目で見ると安心につながる制度でもあります。
働き方に「正解」はない

扶養内勤務が向いている方もいれば、フルタイム勤務が向いている方もいます。
例えば、
子どもが小さい時期は扶養内勤務。
子育てが落ち着いたら正社員。
ライフステージに合わせて働き方を変えることも、決して珍しいことではありません。
大切なのは、「今の自分に合った働き方」を選ぶことです。
制度だけで判断するのではなく、
- 家庭とのバランス
- 将来の収入
- キャリアアップ
- 勤務先の考え方
これらを総合的に考えて選択しましょう。
まとめ
「扶養内勤務」は、家事や育児と仕事を両立したい歯科衛生士にとって、とても魅力的な働き方です。
しかし、「年収の壁」に関する制度は近年大きく変わり始めています。これまでのように「106万円までに抑えれば安心」という考え方だけでは対応できない場面も増えてきました。社会保険の適用拡大により、今後は勤務時間や契約内容がより重要になっていくと考えられます。
また、歯科医院では慢性的な人材不足が続いており、フルタイム勤務を希望する医院が多い一方で、短時間勤務でも柔軟に受け入れてくれる医院も増えています。
求人を見る際には「扶養内OK」という条件だけで判断するのではなく、自分がどのような働き方を望んでいるのか、そして将来どのような歯科衛生士になりたいのかを考えることが大切です。
DEN-PROでは、扶養内勤務からフルタイム勤務まで、さまざまな働き方に対応した歯科医院をご紹介しています。制度だけに縛られるのではなく、あなたらしく長く働ける職場を見つけてください。